カブトムシ、オジさんを嗅ぐ

お家柄の差で、好きなひとと結婚できなかったオジさんと、それにまとわりつくカブ(わたくし)の、恋愛に至らない日々

だから 言わない

カブの衝撃。

 

カブ、動悸がする。

 

オジと車の知り合いのところに遊びに行った。

一緒にイベント出ませんかー?って誘って、後で詳細送りますね。ってさよならしてきた。

 

帰りの車内で、忘れる前に送っとこ!って言ったけど、詳細、前に見たのにネットで出てこない。

どれ送ればいいんだー??って困ってたら、オジが、これ送ればいいんじゃない?って、オジのスマホをカブに渡してきた。

ありがとうー!って、そのURLをカブのスマホに送信した一瞬、

カブ以外のアイコンがいくつか目に入った。

 

あのひとの顔が写ってるアイコンがあった。

気がした。

 

ひとの持ち物に深入りしない。

中身を知っていいことなんかない。

って、カブは思ってるので、いつも探るような真似はしない。触らないし、覗きもしない。

けど、手渡されたものはそりゃー目に入る。

じっと見てもなく、することやってすぐ返したので、確信なんかないのに、瞬間にドキッとした。

 

スマホは便利だ。使うほどに学習し、使い勝手がいいように育っていく。

よく使う機能、よくやり取りする相手を学習する。

そして、ワンアクションで呼び出せるように、便利に貼り付けてくれる。

 

よくやり取りする相手

のアイコンは、開いてすぐに出てくる って、カブだって知ってる。

 

あっ、間違ったー!もう一回かして。

って、言おうかと思ったけど、衝撃でタイミングを逃した。

 

まあ…いいや。

見たのが悪い。知らなかったことにしよう。見間違いだよ。

 

カブは、こうしてオジが、何の躊躇もなくカブにスマホを渡してくる時が好き。

渡さなくても、ホラ見て って、見せてきて 同じ画面を一緒に覗き込むのが好き。

どれどれ…って、わざと顔をグッと近づけたり、べったりと隣に座り込んじゃうとか。

それに、後ずさったりしないオジが好き。