カブトムシ、オジさんを嗅ぐ

お家柄の差で、好きなひとと結婚できなかったオジさんと、それにまとわりつくカブ(わたくし)の、恋愛に至らない日々

わんこ蕎麦は機械式だってさ!

カブはプリプリである。

プリプリしながら電車に乗っている。

幸い、Suicaに残金がたくさんあってチョットだけ上がった↑今日の旅費は無料!

無料!言うほど遠くに行くわけじゃないけど。

 

引き換え、オジはまあまあウキウキして今、旅を楽しんでいることであろう。

カブよりも、ずっと遠くに行く旅。

 

 

 

オジは、あの子とデート。

わんこ蕎麦食べに東京行くんだってさ。

 

先週の日曜、急に

「来週は東京行かないかん」とか言ってきた。

もう、それで全部カブにはピンと来るから、その途端にカブは無口になる。

あの子は運転が好きだから、ボクは連れてってもらうだけで楽ちん とか言ってさ。

すいませんねー、カブは運転が苦手でいつもオジにどこでも連れて行ってもらっててさっ。

 

それにつけてもあの子ったら。

カブやオジよりうんと若いのに、そういう旅を一緒に楽しむ同世代や女の子のお友達っていないのかしら。

とかは、思うけど言ったって。カブだって女の子の友達なんて全然いない。だからいつもオジにくっついておじさんみたいな遊びを一緒に楽しんでんだ。

きっと、あの子も同じような性質なんだろうな。

 

オジは何にも言わないけど、時々こうやって不意なパンチをカブにくらわせてくる。

ついでに言っちゃうのかなんなのか、ドライブ中に

「この前ここでラーメン食べた。あの子が調べてきてさー」

って、余分な出来事までゲロっちゃう。

車の電球替えてだかなんだかで秘密基地に来た って。夜ならやってあげれるよ って、その後一緒に食べに行ったんだよ。

ラーメンとチャーハン頼んだら、それよりこっちの方がお得だから!ウチの一番人気だから!って、ラーメン屋のおっさんにラーメン半チャーハンセットに変えられた…

とかなんとか言っちゃって。

 

悪気なんかない。カブのこともなんとも思ってない。それとおんなじに、あの子のことも一緒なんだ。

カブとあの子と他のことか、そういうのは、みーんな一緒。オジにとっては、みんな同じ線の上にいてきっとずっと変化はしない。

 

そっか、言わないだけで言う必要もないだけで、あの子も時々ここに来てんだな…

って思う。

ふーん。別にいいし。

 

そんなことはずっとそうなんだから、ずっとプリプリしててもしょうがないし、今日カブはカブのための一日を過ごす。

オジに、行きたいようー行こうよー って言ってた展覧会が今日終わるんだった。

一生に一度は行ってみたい って思ってた場所の展覧会。

外国だから、何か勢いづくきっかけとか誰かと盛り上がって…とかでないときっと行けないとこ。

もうカブも一生の半分は過ぎただろうし、外国なんかより国内の見たことないとこにたくさん行きたいっていう気持ちの方が強くなってきちゃったからきっともう行かない。

だから、その空気を少しでも感じられるチャンスなら行かなくちゃね。

 

オジに 行きたい って言ってた手前、一人で休みに行くことに少し抵抗があって、きっとどこかで連れて行ってくれるんじゃないか って少しの期待もしててここまできてしまった。

もういいし。そんな意味ない気持ち吹っ飛んだし。一人で行ったよ って言ったって、そりゃーそうだよね、ってなる。

今日が終わりの日でよかった。

 

美味しいランチ探して、ゆっくり観る。

きっといい一日になる ☺︎