カブはちょっと不機嫌。
今晩、オジは女の子とごはん食べてる。
きっと食べてる。
そうに違いない。
今日は一日、カブとカブのムスメとオジで遊びに行ってた。
帰り、秘密基地に戻りそこで出来る作業をしてた時、オジに電話がかかってきた。
一本は仕事の電話。
一本は…
テンション変わることなくいつも通りの落ち着きで話す。
オジは、仕事の相手や深くない付き合いの人には、少しのサービス精神的温もりのある声を出す。
逆に、カブにもそうだけど、よく知ってる気を遣う必要のない相手にはそれを出さない。
いつも通りのローテンションだ。
敬語でもない。
にいちゃんにはオレって言うのに、ボクって言う。
…それ、その相手、女の子やろ。
でもって、親しい子やろ。
あの子やろ。
今晩ごはんいこ やん。
このご時世、その時間から飯食うとこ開いてるかなー…
とか言ってさ。
夜なら自宅にいるとか言っちゃって。
ウン、ウン…って、相手の言うままに行く場所や時間が決められていってる。
カブは、知らん顔で他の作業してるふりする。
耳はダンボなのに。
電話が切られても、何?って聞かない。
オジも、ムスメの手前か、言い訳もしないし内容も言わない。
オジの車に乗せてもらって、オジの自宅に停めてあるカブの車まで送ってもらう。
カブは、いつも通りの顔をしてるつもりだけど、気分はだだ下がりだ。
じゃあね、ありがと。って言っても、次の休みは聞かない。
なんだよバカ ばっかり思う。
カブの反抗期がまた始まる。
またカブは、オジに見えないように影を消すんだ。
しばらくはカブからは何も言ってあげないんだからな!