カブトムシ、オジさんを嗅ぐ

お家柄の差で、好きなひとと結婚できなかったオジさんと、それにまとわりつくカブ(わたくし)の、恋愛に至らない日々

続く。それだけ。

オジが!

カブを知り合いに紹介してくれた!!

 

車のイベントの日。オジとカブは家が離れてて、イベント会場はもっと離れてて、現地集合になった。

カブは、この車にかえてからずっとお世話になってる大先輩と二台で向かう。

 

いつもは、カブがオジのところに行ったり どこかで待ち合わせしたりして参加するので、だいたい一緒に見て回れるけど、こういう時は やっぱり同行してくれてる人に気を遣う。

 

大先輩はかなりのお年で、耳も遠いし 車のこと以外はあまり頓着ない感じなので、会場でも ひと通り知り合いに挨拶したりお話ししたら、もうそれでよし!って感じで動かない。

けど、お話しはしたいみたいで、そばにいるカブに ずーっといろんな話をしてくれる。

カブは、勉強にもなるけど、何回も聞いた話だったり 興味ない話だったりもして困る。笑

そして、本当は、ずっとオジのそばにいたい。

 

そばにいたいけど、大先輩をないがしろにするわけにもいかないし、そうできる自分でもないし、オジのとこと大先輩のとこを行ったり来たりしながら 大先輩の横でニコニコしてた。

 

オジが、カブを呼びにきた。

さっきから、オジと話してるご夫婦と見受けられる方たちを、カブはこっちから見て、誰やろ?って思ってた。

「この人、僕の大先輩。」って。

カブは、

「あっ、それはそれは…ええと。いつもオジにはお世話になっております…」

などと、わけの分からん返答をする。

その人の奥さまは、ハンドメイドでお洋服を作ったりする人なんだ って教えてくれて、奥さまにも、カブが作ってるモノや、オジの車のために作った幌のこととかも話してくれた。

きっと、奥さまが ”つくる人” だから、カブに そういう人を紹介してくれたかったんだな、って思う。

 

けどカブは、オジが、カブのことを そんな風にひとに話してくれるんだー…って、それだけが嬉しくて、カブのやってること、ちょっと、このひともできる人なんですよ って言ってくれてるみたいで、自分に属する人の自慢みたいに言ってくれる って、それがたまらん嬉しくて、へにょへにょしちゃう。

 

オジの知り合いって、オジのことどう思ってるんだろうとか、どれほどの関係性なんだろうとか、全然分かんなくて、そのオジにくっついてるカブのことは、あちらはどう見るんだろう って、ますます分かんない。

いい年なんだし、一緒にいるひとって、ふつーはパートナーとか奥さんとかそーゆーふーなんだろうに、そんな感じでもないあのひと何?みたいに思うんじゃないのか?それとも、いつも一緒なんだからそうなんでしょ、って思ってんのか。

あちらのひとたちは、いつも それをカブには言ってくれないし、当然、あの人こう言ってたよ とかも、オジが教えてくれるわけないし、知りたいような知りたくないような…

 

いいのいいの。

誰がどう感じてようが、何言われようが、カブはこのままがいい。

ただオジと一緒に楽しいことしていられたらいい。

今がハッピー。これからもハッピー。

それだけでいいのだ。それだけだ。