カブトムシ、オジさんを嗅ぐ

お家柄の差で、好きなひとと結婚できなかったオジさんと、それにまとわりつくカブ(わたくし)の、恋愛に至らない日々

お泊まりはあの子と

今日のカブを癒すために書く。

 

今日は、オジ以外のことでしんどかった。

優しい人が優秀なわけじゃないとか、優しいからって真に受けたらダメとか、前は良かったけど今回もいいわけではないとか、そういう事が幾つも起きた日。

 

それなのに、カブのことを好いてくれる人たちとか。

カブは、そういう人たちに助けられて生きている。

人見知りでビビりで、知らないとこやことには本当は首を突っ込みたくないけど、みんなががんばれっていうからがんばる。

そんで。へらへら笑う。

 

みんなを、楽しませたいんだ。喜んで欲しいんだ。

それだけで、そういう風にしか進んでいけないのに。

カブが楽しそうな顔してたら、カブによくしてくれた人は嬉しそうな顔してくれる。

それでいいのに。

 

 

 

今日、結局オジに会う。

 

行けない素振りを見せたカブに、どういうスケジュール?って聞いてきて、なんとか落ち合えそうな時間を知らせてくる。

カブは、オジが、オジと仲間とあの子との時間だけに頭がいっぱいじゃないことに、もう可能性を見出そうとしてしまう。

 

その時間に間に合ったらいいな。って知らせたら、オッケーってスタンプが返ってくる。

カブは、そのために一生懸命になる。

 

オジ、ツーリングの様子とか、そこでみつけた、カブが欲しがってたお菓子の写真とか送ってくる。

オジは、カブをモノで甘やかさないから、買ってくれたの?って聞いたら、ショッパーを手提げた写真も送ってくる。

もう、好きやん。もう大好きやんかばか。

そうやって、カブはいつも離れられなくなる。

 

夕方、ツーリングメンバーとお泊まりホテルのパーキングで合流。

ものすごい格好いいスーパーカーがずらりと並ぶ。

 

オジはアホだな。

カブは別に、純粋にこれを見たいわけじゃない。そりゃー車は好きだけど、それと、オジがいるからそこに居たいんだ。

オジは、それを見たがってるカブに、なんとか見せてやりたいって、車好きの子供に見せてやりたい感覚でカブのことを誘う。

カブは、それに乗って、嬉しいよりもっと嬉しい顔をする。

 

そんでオジは、あのお菓子をカブに渡す。

どっちかって言えば、この気持ちの方が何十倍もカブは嬉しい。

その時、カブのこと思い出して、喜ばせたくて買ってくれたんでしょう?そうなんでしょ?

 

今日、そこにあの子はいた。

いたけど、カブの今日のしんどさと、オジが誘ってくれた嬉しさと、この手土産と、

あの子が、他のひととの同乗で参加してたこと、カブは、最終地点で 車ごとみんなの注目を浴びたこと、それは、オジの呼んだ人として。

そんで、ちょっと自慢げに、カブとカブのムスメの車のことみんなに話した口調、カブの作ってるモノのことも口にしてくれたこと…

そういう、全部、ぜんぶに、カブは救われて満足した。

 

いつも、行かなきゃよかった って思う時ばかりで、行ったところで 今日もきっとそうなる、って思ってた。

そうじゃなくていい日だった。

 

今日、色々涙が出るようなことがあった色々を、ちょっと減らしてくれたお助けマンだった。

 

オジは悪い。

いつもそうやって、信じられなくなりそうなカブの心をまた惹きつけてくる。