カブトムシ、オジさんを嗅ぐ

お家柄の差で、好きなひとと結婚できなかったオジさんと、それにまとわりつくカブ(わたくし)の、恋愛に至らない日々

タガタメ

ここまで、気持ちのままを吐き出すために書いてきた。

なのに、今更 躊躇うこともないではないか、と思うので、

これもいっとくか。

 

 

 

もう ずっと前のこと。

オジさんは、誰かのことについて、気になる発言をした。

その誰か が、誰だったのか、全然覚えてないし、内容がどうだったのかも覚えていない。

でも、言葉だけが カブの中に残っている。

 

思い当たる節は、あの子のこととかかなー?

しかないから、そうだと仮定する。

 

https://kabutooji.hatenablog.com/entry/2019/07/17/222434

 

あの、中国人の女の子。

オジさんの家に遊びに来ては ご飯を作ってくれる。

ご飯たくさん作りすぎるので困る。

 

オジさんは、部屋にゴミを持ち込まない主義だった。

その頃は アパートで一人暮らしをしていて、独身だから ゴミの捨て方も知らないし煩わしいし、だから、管理できなくて散らかるような面倒な事柄は発生しないように徹底していた。

 

それはもう。

徹底!この言葉に尽きる。

コンビニで買ったもののゴミは、コンビニに捨ててくる。

出前は取らない。

食事は外で済ませる。

ゴミ箱を置かない。

空き缶空きペットボトル、コンビニに捨ててくる。

キッチンは使わない。料理しない。

 

引っ越しの時、イソイソと掃除の手伝いをしに行ったカブは、何もなく何の掃除の必要もない無機質な部屋で手持ち無沙汰だったし、管理会社の人は、修繕費を取らなかった。

 

だけど、自分の為にしてくれる誰かの親切や行為を無下にするような性格ではない。

上がり込んで何とか自分に気持ちを向けてくれないかと頑張っているあの子に、冷たくはできなかった。

 

キッチンを使ってご飯を作る…

油はねが残る。水回りが汚れる。

…我慢する。

 

野菜クズや食べ残しができる…

トイレに捨てる。流す。綺麗になる。

 

トイレに捨てる?!

 

これは、女子の心情として猛然と抗議した。

カブが抗議した。

 

けど、オジのポリシーの上、オジの部屋でオジが持て余すものを、どうしようもなくどうにかする手段が それ と言われたら、

…まあ…仕方がない…とすることにした。

 

それもショックだったが、100歩譲るとして。

 

そんな不満がありながら、なぜいいようにされているのか?と思ったカブの気持ちを見越してか、

 

「便利」

 

と言った。

便利

人がしてくれることに対して、便利 なんて。

気持ちのこもった行為に 便利 なんて。

ハッ!として、言葉は出なかった。

 

 

 

これまでの付き合いで、ずっと考えてきて、オジはそんな人ではないと思っている。

人の気持ちのこもった行為を 自分の利益として便利に使うような人ではない。

なら、なぜあの時そう言ったのか。

 

それは、カブに対しての気持ちだったのではないか。

別に、カブに気があるから…なんて都合のいいことを言いたいわけではない。

ただ、この子と付き合っているわけではない。好意を持っているわけでもないよ

ということだけ示したかったのではないか。

事実として、そうではない ということを、はっきりさせておきたかったのでは。

 

僕は、女の人とはお付き合いしない。

 

それは、

誰に対しての明言か…

 

ただ、カブの心には、ちゃんと この言葉は残った。

 

カブのことも、誰かにそう言うのかな。

カブのことは、誰にでも、カブの前で、

お友達です

って言うけどな。

 

そういうことじゃなく…