カブトムシ、オジさんを嗅ぐ

お家柄の差で、好きなひとと結婚できなかったオジさんと、それにまとわりつくカブ(わたくし)の、恋愛に至らない日々

なんとなくでいい

オジは忙しい。

 

一人親方になって 本人曰く、

「三日働いて一日休むくらいのペースでやれたらサイコー」

だったのが、今は

七日働いて一日休みあるかないか

になっている。気の毒。笑

 

辞めた会社でオジが担当していた仕事が、ほぼオジの元へ流れてきた。

仕事に、人に、実直に取り組んできた結果でありましょう。喜ばしいことじゃないか。

 

本心でそう思っている。カブが好きなひとは、やっぱり人を大切にするひとだ。

けど。

ちょっと淋しいのもほんと。

淋しいというか、なんとも言えんぐにゃっとした感じ。

 

今まで何年も、ほとんどの休みを一緒に過ごしてきて、用事がある時はそれもお互い伝え合っていて、オジは、別に全部の暇をカブに費やしてるなんて全然思えないけど、それでも、 居る ひとはカブだ って、何となく信じてる。

 

そう思ってんのに。

ホンマに休みないんか〜…

って。ちょっと思っちゃう。

それは、オジの休みはオジの都合で決められるっていうとこに機縁してんやろぅな。

そんで、カブがいつまでも あのひとの事に拘ってるからなンや。

 

だってしょうがない。

出逢ってすぐに、あんなに真っ直ぐ断言されて。

何年経っても時々ひょっと名前が出てくるあのひと。

オジは忘れてない。だから、カブだって忘れない。

いいんだけど。

大切な想い出のひと、忘れろなんて言わんけど。

そんでこれは、カブの勝手な妄想なんだし。

 

実際オジは、休みになるといつも通り、

明日休み

って言ってくる。

目に見えることとしては、そのスパンが長くなっただけだし、見えなくてもオジが朝から晩まで忙しいことは カブへの返信やSNSの触り具合で分かってる。

 

「今度の休み、取れるように調整してる」

 

これで十分じゃん。