カブトムシ、オジさんを嗅ぐ

お家柄の差で、好きなひとと結婚できなかったオジさんと、それにまとわりつくカブ(わたくし)の、恋愛に至らない日々

お花は好きです

オジがお花見に連れて行ってくれた。

 

毎年のことなんだけど、その年に持った古い車で、同じ桜並木を通り抜けする。

カブが、動画と映え写真を撮るのを黙って協力してくれる。

 

今年は、去年と同じ車だ。

ボロボロのお年寄りカーだけど、今時の人が見たことないような斬新なスタイルでカッコよくてフルオープンで気持ちいい。

 

前の週に、

次はお花見しようよー。この車でさ、桜並木通ろ?

と言ったけど、特に返事はなかった。

仕事なのかな、なんかあんのかな?と思って期待しないようにしたけど。

 

休みの朝、基地にカブが着いた時にはもう、物置みたいに荷物だらになってた荷台がキレイに片付けてあった。

特に注文することもなく、何も言わなくてもあの道を走ってくれる。

 

何年間の恒例だろう?

来年も、そうだったらいい。

 

 

 

検査の結果、カブやはり手術は必要で。

けど、先生はスケジュール帳のページをベロベロ…ベロンベロン先に進め…

今手術が立て込んでまして…

く…9月…いかがですか?

いかがもなにもあーた。そこしかないならそれしかないじゃない。緊急を要するってわけじゃないってことでしょ。

ってなわけで。

そんなんです。

 

つつがなく日常を生きよう。