カブトムシ、オジさんを嗅ぐ

お家柄の差で、好きなひとと結婚できなかったオジさんと、それにまとわりつくカブ(わたくし)の、恋愛に至らない日々

かまどのある家に住みたい

オジが、家を探し始めた。

 

はーあー…

もう。

 

やな事ばっかり考えるなぁもうー。

 

昭和の遺産に心を奪われているオジは、小物収集では飽き足らず、ついには田舎暮らしにまで考えが発展していっている。

 

カブの到底辿り着けないであろう遠く。

今だって近いわけじゃない道のりを行ったり来たりしてるのに、もーっと遠く。

もう、全然会えないでしょうがー!ってとこ。

ニコニコしながら、古民家斡旋の通知を見せてくる。

 

オジは、すこーしずつカブから離れて行こうとしてるのか。

口では言えないから、少しずつ距離を離して物理的にも心理的にも。

 

とか思ったら、秘密基地の枠組みを材料買って来てにいちゃんに手伝ってもらってまで直してる。

あと四年は契約あるもんな。

短い年数だったら今更直してもしょうがない って言ってたけど、五年延びたら直すんだ。なら、このままここは借り続けるのか…とか、

 

思い付いたら身軽に何にでも飛びついて行くオジに、一般的な思考で当たってもしょうがない。

 

なるようになる。