カブトムシ、オジさんを嗅ぐ

お家柄の差で、好きなひとと結婚できなかったオジさんと、それにまとわりつくカブ(わたくし)の、恋愛に至らない日々

ヤドカリ

物件探しをしている。

 

今二人で借りている倉庫、来年の今頃には退居している頃だ。

三年契約なので。

 

カブはのんびり屋…というか、追われないと動けないタチなので、まだまだ先じゃーん (= ´ σ3`) みたいな顔をしてるけど、迫ってからでは遅い。オジは、ここ、あそこ…と、候補を挙げ出している。

ここ、近いしどうかなあ、とか、ここだったら楽しそう…とか、最近話題にのぼる。

 

カブは、今の倉庫の契約が終わる頃には オジとも離れていくのかな…って思ってた。

そもそも、この倉庫を一緒に借りたのは、カブの愛車の部品取りをソコに一緒に置いてもらうからだ。

いまやカブの愛車は、今際の際を彷徨って廃車寸前なボロ加減だし、それの部品取りって要るの?て感じだし、なんならオジに、コレ処分していい?とか言われてる。

実際もう要らないと思う。そうまでして修理する手間暇もかけることないし…

だからオジにも、もういいよー売れるなら売って、売れないならどうとかしても。って、言ってある。

 

けど、その場合。

カブ、そこに要る?

理由がなくなった同居人に、そこに居続ける意味は見出せるだろうか?

 

今は、毎月少しの賃料を負担して、どうにか自分が居る場所を確保している。

でも、それは、アレがあるから。

アレ、なくなったらオレ要らなくなるの…?

なんて、不安なモヤモヤを、期限が迫ってきつつあるこの頃ずっと思ってた。

 

カブは、

カブは、そんな理由なんてなくなっても、ここに居たいって思ってる。

アレがなくとも、その場所の一角をカブの居場所にして、ソレに対して幾らかの負担をしてソコに居たい。

でも、モノがなくなったら、その効力も無くなってしまうのかな。

無い事に対して要求をする人ではないような気がして、不安がどんどん大きくなっていっていた。

 

でも、今こうして、次の物件の内容を吟味したり、内見に一緒に連れて行ってくれたりする当たり前さを前に、カブは、まだ大丈夫なのかな…と思う。

 

カブの存在は、オジにとって普通のことになっているのだろうか。

ナニがあってもなくても、カブは居る。それはそうでしょ、っていう関係になっているのだろうか。

 

知り合ってかなり長い時間を一緒に過ごしてきた。

オジが仕事で遠くに住んでた時期もやりとりは続いた。

帰ってきて引っ越しても、行ったり来たりでここまで来た。

そこに、何の約束もなく何を縛り合うものもない。

ただ、一緒に居る それだけだ。

 

何も信じるものはない。

何も自信を持てることもない。

でも、居る。居られる。

 

カブはそうだけど。

オジはどうなんだろう?

 

つまらないことは

考えないでおこう。