カブトムシ、オジさんを嗅ぐ

お家柄の差で、好きなひとと結婚できなかったオジさんと、それにまとわりつくカブ(わたくし)の、恋愛に至らない日々

ココロディギング

友達は少ない。

インドア派だ。

人とつるむより 一人で本を読んだり映画を観たり、モノをいじるのが好きだった。

 

一日に一つのことしかできない。

明日起こる何かのために、今日一日の頭が一杯になる。

容量は少ない。

 

生きるのはしんどい。

早く終わらせたい って思ってた。

 

 

 

オジさんと出会った始めの頃は、そんなネガティブな事ばかり カブは言っていたように思う。

だからって、同調してくれるわけでもなく慰めるわけでもない。

オジさんは オジさんとして、淡々と ただ聞いて、何処かに流してくれた。

 

そういうことが よかった。

 

ちょっと前、車友達何人かと、イベントに遊びに行って 食事をした。

そこで また、お腹減ったオジさん事件!があったのだけど…

 

その時は みんなで楽しんでるから、ちょっとした悪ノリみたいな感じで、事が済んだら みんなで笑ってそれでよし!みたいな。

 

ゲラゲラ笑いながら、そーゆーの やめなさいよ よろしくないわよ。なんて 苦情を言うと オジは、

 

「僕は(あなたの)毎日に、笑顔をもたらしてあげてるんじゃん」

 

と言った。

 

驚いた。

 

オジさんの 毎日、という日々に、カブは存在しているのか。

 

確たる思いで そんなことを言ったわけじゃなくても、つい口から出るように、普通にカブはそこに居るのか…と。

それを、仲間内で口にしたのか…と。

 

他人を許容しても、抱き込まないひと だと思っている。

いつでも バイバイができるひと。

 

こんな風に、つい出る言葉の中に、

自分の重み を、知りたいと思う。