カブトムシ、オジさんを嗅ぐ

お家柄の差で、好きなひとと結婚できなかったオジさんと、それにまとわりつくカブ(わたくし)の、恋愛に至らない日々

思え。

デート(男性と女性が日付や時間、どこで何をするかなど決めて行うこと)の約束をした。

 

オジとではない。

愛車のクラブのメンバーで、昔からよくしてくれてる人だ。

 

いつも、同じくメンバーの女の子や男の子、オジも含めたりして遊んだりランチ行ったりしてるのだけど、今回は急に誘われた。

 

カブに対して、邪な気持ちを1ミリも持っていないことを知っているので、嫌じゃないし警戒はまったくしないのだけど、オジを大好きなカブの気持ちとしては、

うーん…

である。

 

カブはオジ以外の男の人と、もう二人だけでは会いたくないな って思っている。

何があるとかないとかそういう事じゃなくて、乙女の気持ち?として、気持ちの貞操観念というか…

 

なので、

◯◯ちゃんも呼ぶ?って言ってみた。

まったりしてスウィーツ食べたいからキリキリしたくない。

と返ってくる。

 

◯◯ちゃんは、せっかちで短気である。それはもう、思ったことはすぐに口に出さなくては気が済まない、やるべき事はすぐにやる今やる!文句あんならかかってこいやー!な人だ。

なんでそんなに生き急いでるの?!っていう人。

カブは、この子といるとドキドキする。

自分のマイペースさとのギャップが大きすぎて、いつも責め立てられているような気になって萎縮しちゃうのである。

 

フリーでデザイナーやってるこのおにいさんは、奥さんと長く二人で暮らしていたのだけど、お互いの実家の両親が高齢で、両方介護や介助が必要になってきたようで、それぞれ自分の親を大事にしよう っていう話し合いのもと互いに実家に戻ったそう。

で、実家でお母さんの作ってくれる料理は質素で、肉が食べたい肉が食べたいと常々言っている。笑える。

いや、まあ気持ちはわかる。

そして、持病もあり軽く糖質制限しないといけないらしく、大好きなスウィーツも好きなように食べるわけにいかず、ストレスも溜まっているよう。

 

カブは、この人にはとってもお世話になっている。

コワモテな人相の割にすごいいい人で、気に入った相手にはとことん良くしてくれる。

カブの何を気に入ったのかは分からないが、グチグチ進めないカブの愚痴をいっつもとことん聞いてくれる。

お互い田舎に住んでるので、集落の気質みたいなものもよく分かってて、その中に嫁に来たカブの息苦しさやしんどさも分かって受け止めてくれる。

そして、キッツイ叱咤激励で背中をどついてくれる。

 

いつももらうばっかりだ。返さねばならぬ。

「美味いスイーツが食いたい。土曜か日曜空いてね?」

有無を言わさぬお誘いだ。よっぽどスイーツなんだろう。笑える。

 

そして、おにいさんが提案してきた店は、

 

以前オジが、

カブじゃない女の子、あの子と出掛けたあの街にある。

 

そうやってオジは、カブの顔色なんか気にせずに、軽くぷらっとあっちやこっちに行ってしまうんだ。

カブはこんなにウジウジ考えてんのにな。

 

感じない相手に仕返しみたいな気持ちを抱いてもしょうがないのは分かってんだけど。

ちょっとくらい、ヤダな って思えばいいのに。

思え。