カブトムシ、オジさんを嗅ぐ

お家柄の差で、好きなひとと結婚できなかったオジさんと、それにまとわりつくカブ(わたくし)の、恋愛に至らない日々

ココロディギング

友達は少ない。

インドア派だ。

人とつるむより 一人で本を読んだり映画を観たり、モノをいじるのが好きだった。

 

一日に一つのことしかできない。

明日起こる何かのために、今日一日の頭が一杯になる。

容量は少ない。

 

生きるのはしんどい。

早く終わらせたい って思ってた。

 

 

 

オジさんと出会った始めの頃は、そんなネガティブな事ばかり カブは言っていたように思う。

だからって、同調してくれるわけでもなく慰めるわけでもない。

オジさんは オジさんとして、淡々と ただ聞いて、何処かに流してくれた。

 

そういうことが よかった。

 

ちょっと前、車友達何人かと、イベントに遊びに行って 食事をした。

そこで また、お腹減ったオジさん事件!があったのだけど…

 

その時は みんなで楽しんでるから、ちょっとした悪ノリみたいな感じで、事が済んだら みんなで笑ってそれでよし!みたいな。

 

ゲラゲラ笑いながら、そーゆーの やめなさいよ よろしくないわよ。なんて 苦情を言うと オジは、

 

「僕は(あなたの)毎日に、笑顔をもたらしてあげてるんじゃん」

 

と言った。

 

驚いた。

 

オジさんの 毎日、という日々に、カブは存在しているのか。

 

確たる思いで そんなことを言ったわけじゃなくても、つい口から出るように、普通にカブはそこに居るのか…と。

それを、仲間内で口にしたのか…と。

 

他人を許容しても、抱き込まないひと だと思っている。

いつでも バイバイができるひと。

 

こんな風に、つい出る言葉の中に、

自分の重み を、知りたいと思う。

 

 

 

スーパーマンオジー

どれだけお世話になってきたことか。

 

カブは 車好きだけど、外観ばかりで メカのことは全く分からない。

 

出会ったのは、すでに オジさんがこの車の現役を引退してからで、同じ車に何台も乗った末 興味のある車をどんどん乗り換えているのだから、この車に限らず、カスタムも故障も、大体のことは知っている。

 

カブが何も知らないから…ってのもあるけれど、他の車好きの人と比べたって 色んなことを広く深く知っていて ソンケーなのである。

 

そして、本意ではないであろうが、カブの愛車のピンチには いつも駆けつけてくれた。

 

カブは、この車のことはオジさんが全部知ってる って思っているので、何かあった時に連絡を一番にオジさんにするのは やむを得ない。

 

近くに住んでる時は、本当にそうだった。

エンストした 変な音する 液漏れた バッテリーあがった…

 

嫌な顔一つせず…いや、感情がよく分からないだけだけど…

とにもかくにも、何とかしてくれた。

もしくは、ヒントや解決策を授けてくれた。

 

さすがに、家が遠くなってからは 呼びつけることは慎むようになったけど。

 

今日、またお世話になった。

ムスメの車で。

 

この猛暑に。

あの、カッコいい国産旧車で 颯爽と。

 

…あつい…暑すぎる…

って、漏らしながら。

今は、それも口に出してくれる。

 

カブは、

ごめんね も、ありがとう も、

前より上手に言える。

 

 

 

見舞いでなけりゃーキャンセル辞さない

「明日から三連休。」

 

オジさんから 連絡が来た。

 

盆でも正月でもないのに 三連休なんて…

ブチ切れたのだろうか…

心配だ。

オジが。ではない。

会社の人が(汗)

 

オジさんは、怒ると怖い。

普段 感情が読めないから、怒った時 ますます怖い。

 

でも、そんなことでビビりまくるのは カブくらいかな。

日々仕事で関わってる人は、ああまただ…くらいで済むのかしら…

 

そんなことはよしとして。

 

明日は用事を入れてしまった。チェッ。

明後日行く!

って返す。

了解!って、スタンプが来る。

 

いつも通り。

 

 

日々暖機

休みの日には ほぼ着替えをしない人間だった。

 

夫がいたら 早く起きても掃除もできないし、昼食は 当たり前に出てくるものだと思われている。

着替えたってどこにも行かないし。

出掛けたって買い物くらい。昼には家にいなきゃいけないし。

洒落たってしょうがない。

 

 

 

オジさんは、出会ってから、自分の休みの日は たいていカブを誘ってくる。

 

はじめは全然そんなつもりがなかったから、いつも大慌てで着替えて支度をして家を飛び出していた。

 

だんだん、油断しているとお呼びがかかるので、とりあえず 朝はいつも通り起きて 化粧をするようになった。

 

その頃は、男の人に呼ばれるなんて…と、着るものは 取っ替え引っ替え、気張りすぎないでもちょっとお洒落して…スカートなんかはいちゃって…

と、まあまあ頑張った。

 

オジさんだって、その頃は カブが喜ぶこと好きそうなところ…って、ひとを楽しませたい人だから、色んなところに連れて行ってくれた。

 

仕事場にも、休みの仕事とか 外部の人がいても問題ないような場所は 連れて行ってくれたりした。

 

考えてみれば、あの頃はお互い、どうにかこのひとを引き寄せていたい って気持ちはあったんじゃないだろうか。

それが、恋愛という感じじゃないとしても。

 

 

 

今は。

オジさんは変わりない。

ファッションは、いつも カーゴパンツとTシャツ。ポケットがたくさんあるから。

 

カブも、たいていパンツとTシャツ。

 

オジといても、ロマンスは起きることはないし、行く場所は 大体 古道具屋か倉庫だ。

 

洒落たってしょうがない。

 

でも、気持ちは落ち着いた。

あの頃みたいに いつもフラフラして行く場所を探すんじゃなく、一緒に居る場所 ができた。

 

 

今、お互いやるべき事があって遊んでられないけど、

 

朝は Tシャツを着て、化粧をする。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そんなことより気になるの〜

はてなブックマーク

 

はてなブックマークとは、如何なるものか?

 

有難いことに、この 心の吐露に、スターや ブックマークをつけてくださる方がいる。

コメントまでも!!

 

是非とも返信したいのだが、記事のコメントには返信できるっぽいが、ブックマークの方には 簡単にはいかないっぽい。

 

ちょっと調べてみた。

 

自分のブログに 自分でブックマーク付けたら、そこにコメント出来るっぽい…

 

しかし。

しかし…だ。

 

カブは、あらゆるブログから ジプシー的に、ここ はてブへたどり着いた。

何故かと言えば、

 

“カブとオジ” のことに関しては、他のどのツールに関係している人の一切と関わらない為

である。

 

誰にも知られてはならない。

 

カブは、本心を 知り合いに明かさない。

特に、特に このことに関しては。

 

なので、ブックマークの意味内容が理解できないと 自分のブログに自分でブックマーク付けるなんて冒険は出来ない。

 

なのに、ちょっと調べたくらいじゃあ その細部まではよく解らない…(꒦ິ⌑꒦ີ)

 

カブは 文章問題が嫌い。

長文の算数なんて、文字数見ただけで 考えることを放棄した。

タブレット純を崇めている。

 

そんなことより気になるの〜♪

 

この問題に答えがあるとしたら

読めない私に誰かが教えてくれること

自分がつけた自分の記事のブックマークは

他のSNSに紐付けされるのですか〜???

 

 

 

 

 

 

我儘

なんと、同居の義母が倒れ 入院。

義父は義父で、予定していた癌の手術のため入院致しました。

 

一応、無事である為、手前勝手な我儘を、他のどこでも言わないから ここで言う。

 

こういうハプニングに めっぽう弱いのが、カブとオジのような関係だ。

 

私たちには、何も縛るものはない。

お互いの生活のあれこれには、聞いてはいるけれど 自分の存在する場所はない。

 

オジさんとのエピソードで、忘れられない事がある。

 

車のイベントを、別の女の子の友達と見に行った。

オジさんと共通の友達なので、オジさんも来たらいいのに…と思い誘っていた。

行けたらねー…

とか言ってたけど、来る気配がない。

まあ、都合もあるしね。と思って、しつこくはしてないけど 写メなど送りつけたりしていた。

 

翌日。

父親が亡くなりました

という 知らせが来た。

 

言ってくれればよかったのに…!

申し訳なさといたたまれなさと恥ずかしさが ごちゃ混ぜになった。

ごめんなさい。言ってくれればいいのに…

オジさんは笑ってくれた。

 

毎年 その日には 、少しのお菓子を持参する。

 

オジは、優しくて寡黙で格好よすぎる。

 

カブのチチは、去年、国指定の難病で逝ってしまった。

 

たまたま オジさんに会う日で、その日 カブは、たまたま電車で待ち合わせ場所に向かっていた。

電車内で危篤の知らせを聞いたカブは、ぐるぐる頭を回しながら とりあえずオジさんの顔を見たかった。

母が再婚したチチ との関係性や自分のおもいを、あまり人に話さない。

それを言える友達は、多くない。

オジさんは知ってる。

チチに会う前に、誰かに 何かを…

 

引き返すより向かうを選んだ。

チチの入院してる病院の場所は、待ち合わせの場所から遠くなかった。

 

オジさんは、最寄りの駅まで送ってくれれば自分で病院に行く と言ったカブを、病院まで送ってくれた。

頭が回らなくて、着くまでそれに気付かなかった。

人前で泣かない って決めてたカブは、車の中でちょっとだけ泣いた。

 

間に合わなかったけど。

家族で最初にチチの顔を見た。

 

オジさんに、

間に合わなかった。ありがとう。

って連絡をした。

間に合わなかったかぁ

って 返事が来た。

 

本当に感謝している。

 

 

 

“その” 時には、選ぶこともなく やるべき事をやるしかなく、会いたいとか予定がとか、そんな事は後回しにできる。

でも、まあ なんとかなりましたわ って時、自分の都合ばっかり思う。

 

これから どうなるんだろう…

カブの自由は どんな形に変わっていくんだろう…

オジに、今度いつ会えるかな…

 

お互いに そんな事がありながら、

落ち着いたら連絡する

と言って、いつも過ぎてきている。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

仲良しです…か?

オジさんとは よく夫婦に間違えられる。

 

そりゃそうだ。年齢も不自然に離れてないし、行くとこ行くとこ いつも一緒だし。

買い物も普通に一緒に行く。

あれがいいよね、これはどうかねー…とか言いながら楽しくいられる。

普通の目線で見たら、それは仲のよい夫婦だ。

 

娘も一緒の時もある。(カブは、オジさんの事を子供に隠してはいない。そもそも車仲間だし、カブの気持ちはさて置き、現実としてやましいことは一つもない)

娘の友達の男の子も。

そうしたら、それは、まるで家族だ。

 

遊びに行くと、先々で出会う人に、

「理解ある奥さんですねー」とか、

「ホントに仲良いいね」とか 言われたりする。

 

最初は二人して、

「いえ、お友達です」

と 否定していたのだけど。

 

そりゃそうだよな、そう見えるわな。だし、

そう言われることに 当たり前に慣れてきて、

ふ。と、笑うだけになってきた。

全く知らない人に いちいち説明するのもめんどくさいし。

 

けど、“仲がいい” って何だろう。

 

喧嘩は した事がない。

オジさんは、カブに怒ったことは一度もない。

声を荒げることもない。

押し付けない 無理強いしない 望まない。

それって…

 

その人に 関心がないって事じゃないか。

 

そう思うと…

比べたってしょうがない。意味がない。

所詮、土俵が違うんだし。

でも。

知りたくなる。

随分前に聞いてみた。

 

あのひとと

喧嘩したことある?

 

「喧嘩…

誤解とかを解くために…とかはあったよ」

 

そうね。

そうだよね。

誤解とかすれ違いとか。

でも、それを解きたい って思うのは、そうして一緒に居続けたい って事なんだ。

 

そして、それがなく 良好な関係っていうのは…

 

深く知る必要のない関係。

 

何を考えているのか、どう思ってるのかわからないひと。

でも、こんなに長く一緒にいる。

そんなにドライな気持ちで そんな風にいられる?

って 思うけど。

 

何も聞けずに、踏み込めずに、ただ ここに浸かっている不条理の道理。

 

踏み込んで何になる?

求めているものは何?

欲しいのかと問えば、

欲したところで…

となる。

 

カブの欲しいのは 今。

今のこの居心地のいい全ての事だ。

なにが変わっても、どう転んでも、それは 望む事じゃない。

 

この絶妙なバランスで、こうして居ることが、誰にも解らない幸せだ。